「成年後見人の不祥事対策」

家庭裁判所が成年後見人を選任する場合,一般的に,管理すべき財産が少額のときは親族を選任し,管理すべき財産が高額のときは弁護士・司法書士などの専門家を選任することが多いです。

財産管理には常に法律問題が絡みますし,後見人が自分のために「使い込み」をしてしまう危険を考えると,職業倫理の確立している法律専門家に頼んだ方が安心と考えられるからです。

そして,家庭裁判所が弁護士を成年後見人に選任する場合,多くは,事前に弁護士会に推薦依頼し,弁護士会が推薦した弁護士を選任しています。

ところが,最近では,弁護士後見人の不祥事も多発し,マスコミでも取り上げられるようになりました。残念ながら,宮城県でも,昨年は1件,弁護士が後見業務において不適切な処理を行い,懲戒処分を受けています。

このような傾向が万一続いてしまうと,弁護士が成年後見人に選任されないという時代がやって来るかもしれません。

そのため,日弁連や各地の弁護士会でも,後見人の不祥事対策に力を入れるようになってきました。

仙台弁護士会でも,平成26年12月16日,「高齢者・障害者の財産管理・権利擁護支援窓口設置運営規則」を改正して

1)弁護士会の成年後見人推薦名簿には,研修を受講したことや,会費の滞納がないことを登録要件とする

2)弁護士会は,成年後見人をしている弁護士の推薦名簿の登録の有無,会費滞納の有無について家庭裁判所から照会があったときは回答できるものとする

などの仕組みを整えました。

不祥事の多くは故意行為ですので,研修などでどれだけ防げるかという疑問もありますが,それでも,こうした一定の対策を取っていくことは,弁護士の信頼回復のために必要なことだと思います。