東日本大震災の発生から4年が経ちました。

仙台地裁の破産事件の受付件数は,もともと減少傾向にありましたが,震災によってこれが増加に転じるかと思いきや,そうではありません。破産事件はそれまで以上の速度で減少していており,平成26年と,震災の前年である平成22年とを比較すると,事件数は半分以下になっています。

阪神淡路大震災の被災地で,震災発生後2年目から破産事件が増加したのとは対照的です。

破産事件のうち,企業の破産事件が増加しない要因として考えられるのは,
グループ化補助金
債権買取機構の存在です。

グループ化補助金

グループ化補助金は,被災した設備の復旧のために,事業者がグループを作って申請すれば,費用の4分の3まで国と県から補助を受けられるという制度です。

債権買取機構

債権買取機構は,被災企業に対する債権を金融機関から買い取り,支払猶予や債務免除,債務の劣後化・株式化などの手法により被災企業を支える組織です。

東日本大震災では,被災企業のいわゆる二重ローン問題に対応するため,特別法による株式会社東日本大震災事業者再生支援機構(震災支援機構)が設立され,また,産業復興機構という官民ファンドが被災各県に設立されました。震災支援機構は,債権の買取以外に,貸付けや保証,出資といった支援も実施しており,グループ化補助金が入金するまでのつなぎ融資や,同補助金の自己資金部分の調達に役立っているようです。

いずれも,被災事業者の再生,ひいては被災地の復興のために作られた組織です。弁護士の立場でも,事業の継続ないし再生について相談を受けたとき,機構の支援が受けられないか,相談を勧めることがあります(なお,産業復興機構の方は,「復興相談センター」が相談窓口となります)。